1、依頼するのは主催者
今回、初めて、普通の祭りに腹話術で出演させていただくことになりました。
これまでは高齢者福祉施設を中心に回らせていただいてきたので、高齢者に喜ばれそうなネタづくりを心掛けてきました。高齢者に限定されない場合でも、施設の用途などから予想される観客の年齢を意識して、ネタづくりや心ばかりの演出をしてきました。
ついでですが、欲を言えば、施設の職員さんなど主催者も楽しめるものが望ましいと思っています。というのは、再び、呼んでもらえるかどうかは、施設管理者が最終判断によるからです。そう考えると、望ましいというより必須であるということもできると思います。
今回は、地域の祭りですから、これまでの高齢者中心の福祉施設と違い、老若男女問わず本当の意味で不特定多数がお客さんです。誰からも楽しんでもらおうとネタづくりに力が入りました。
普通のお祭りということからの不安もありました。
不特定多数ということは、どんな人が見ているかわかりません。
祭りですから、飲酒して観ているお客さんもいるかも知れません。
いまどき、そんなにマナーの悪い方がいるとは思えませんが、もしかしたら、退屈すぎてやじが飛んでくることもあり得るのではと思うと俄かに緊張感が増してきます。
今回は予算の関係からか、出演はなさそうですが、過去のチラシには地元の芸能人が並んでいたりしてかなり豪華そうです。そのようなレベルのものをあてにして来られるお客さんがいるなら、プレッシャーは感じますが、期待にはできるだけ応えたいと思いました。
こういった心配事は、考えるときりがありませんから、できるだけ楽しいことを考えるのが良さそうです。 持ち時間の20分間を何とかでもやり切れば、一段、自分のレベルが上がるのは間違いありません。
新しい世界に足を踏み入れる滅多にないチャンスですから、必ず成功させようと心に誓いました。
2、会場の広さに唖然
そして、舞台の当日を迎えました。
体育館というのはわかっていましたが、足を踏み入れた瞬間、小学校の体育館にしては広い?
そんな印象を受けました。
しかし、床のラインを見ると、小学生用バスケットコート2面分しかないので、小学校体育館としては、普通サイズであることには間違いありません。
普段、小学校の体育館としてみていたときと、自分のステージとしてみたときでは、全く感じ方が違いました。
そのように感じるのは、自分が気圧されているからであって、その原因が、これまでにない広さから来る不安であることにすぐに思い当たりました。同時に早くそれを解消しなければという思いに駆られました。
動揺しつつも、ある程度、自分を客観的にみることができたのは、これまでの失敗の経験が利いたのだと思います。
不安材料を具体的に挙げると、遠いところまで、声がはっきりと届くかということと身振りが見えるかということで、これらについては、マイクがあってもあてにせず滑舌を良くして、アクションを大きめにすることを心がけようと思いました。
さらに、これまで経験がなかったのですが、離れたところでは、お客さんの目線が見えないことでした。これでは、アイコンタクトをとることはできません。
お友達や家族で会食しながらともなると、正直、お客さんがどこを見ているのか想像もつかなくなります。
まるで、お客さんと分断されているようで、これは本当にやりにくいと感じました。
しかし、今この場ではどうすることもできません。
無理に全員を取り込もうとするより、近くのお客さんとアイコンタクトを取りながら、声と身振りを、大きくしようと思いました。
そして、何より大事なことですが、最後まで明るく楽しくやり切ろうと自分に言い聞かせました。
会場内の雰囲気ですが、ステージ寄りに長テーブルと座布団が配置されていて、観客が、つまみを挟んで思い思いに過ごしている様子は、のどかな日曜日の午後といった印象です。スーパー銭湯の大広間を大きくしたような感じでもあります。あちこちで、子供が走り回るなど、局所的にやや騒然としたところもあって、こういうところは祭りらしいとも言えます。
祭りも午後の後半とあって、かなり空席が目立ちましたが、それでも、観客70人位はおられたと思います。

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