🎃結果とその先にできる道|保育士に挑戦⑥

 実技試験直後の意気消沈状態も、時間が経つにつれ、少しづつ癒されていった。それと同時に、合否についても冷静に考えることができるようになっていった。

 最終合格率は、2割程度となっているが、実技試験に進んだ者に限ってみれば8割が合格している。つまり、実技まで来れば、大抵は合格するのである。

 基準に達しないのは、全く練習ができなかった、非常に大きなミスをした、体調不良だったなどの方々であって、それだけで2割近くいくのではないか。少なくとも一生懸命にやって力出し切ったなら合格になっているのではないか。精神安定のためそう思うことにした。時間が経つにつれ、徐々に悲観ムードから楽観ムードに変わっていった。

 そして、試験から2か月後のある日、結果通知書が届いた。シールを開けると結果がわかるようになっているはがきである。

 既に、自分のなかでは「合格」が疑いようがない既成事実―ほぼ妄想―にまで膨らんでいたが、部屋まで持っていけば、自分の性質上、移動する間にする必要のない緊張が芽生えてしまう。

 郵便受けから取り出すと直ちに開いた。やはり、合格だった。

 歓喜するほどの感情は湧かなかったが、試験勉強から解放されたという安堵の気持ちが静かに心を満たした。

 内容はというと、造形が32点、言語が30点だった。合格基準が50点満点の6割で30点だから、ギリギリだ。

 特に言語に関しては、最低限のことしかできていなかったということか。試験勉強を振り返ると、造形8割に対して、言語は2割しか振り向けていなかったように思う。造形は絵なのでどうしても練習に時間がかかってしまうものではあるが、それでも、言語は対策をしなすぎた感がある。

 決して、しないでいいと思っていたわけではないが、振り返ってみるとある原因に思い当たった。

 言語の令和元年度の課題は、①おむすびころりん、②ももたろう、③3びきのこぶた、④3びきのやぎのがらがらどん、から1つを選択して、素話するというものである。

 多くの受験者は一番自分がやりやすいものはどれか、悩むのではないだろうか。特に現場経験のない受験者は、自分が得点を上げやすい話はどれか対策本などで探ってから1つに絞った練習をすることになると思われる。

 しかし、私の場合、見た瞬間に「3びきのやぎのがらがらどん」に決まりだった。それは、自分の子供(長女)に何度も読んで聞かせていたからである。やはり良い絵本なのだろう。一度読むと、必ず、1~3回リクエストされた。

 そのため、あらすじが分かるし、自分なりに盛り上げ方も知っているつもりだった。

 しかし、後になってみて、この自分なりというのが、あてにならない(してはいけない)ものだったということである。我流の問題は、間違いに気づきにくいということもあるが、多分、要改善点が分かっても、直らないからたちが悪いのではないか。練習しているうちに、いつのまにか、我流に戻ってしまう。

 常に振り返って改善していく姿勢が必要ということだろう。ギリギリだったことが、プラスになった言えるよう、保育全般の技術の習得に努めていきたいと思う。

 20数年ぶりの国家資格の取得である。50歳を過ぎた自分にとって、この資格はどういう意味を持っているのか。

 現職を退職した後の進路として、もう一つの選択肢を得たということではないか。

 そう考えると、先すぼみに見えてしまう退職後の可能性が俄かに広がったようで、将来の期待感も膨らむ。

 晩年は、子供たちに囲まれて過ごせたら素晴らしい!職業としてではあるが。漠然とした夢が、現実味を帯びつつあるように感じた。この資格は、何とかして生かしていきたいと思う。

トップページへ

コメント

タイトルとURLをコピーしました